ノベルス専門学校の有効性についての検証と考察
いったん消してしまった記事を
再編集して掲載という形をとります。
内容が踏み込みすぎ、かつ少々過激だったため
かなりオブラートにつつんでお話します。
(※それでもこれだけのものになるか、と書き上げてから驚愕)
まずですが、ノベルスの専門学校をWeb検索しても
候補は2,3個しか出てきません。
わたしが調査したところでは、東放、AMG、バンタンの3つぐらいです。
これらはすべて、『ノベルス以外』のジャンルを発祥としています。
ゲーム制作だったり、アニメ制作だったり、声優育成だったりですね。
『ノベルス』というジャンルはかなり異質です。
他の分野と重なるものが少ないのです。
『ゲーム』なら、『アニメーション』『ゲームシナリオ』『声優』
『アニメ』なら、『漫画』『イラストレーター』『カットシーン』
『漫画』なら、『アニメーション』『イラストレーター』
といった具合に、他ジャンルとの親和性が高いのです。
対して、『ノベルス』は寄り添える分野がありません。
『ノベルス』は『ノベルス』しかありえないのです。
多少は重なる部分はあります。
『漫画』は原作という形にすれば『ノベルス』が活かせます。
『アニメ』は脚本という形にすれば。
『ゲーム』はシナリオという形にすれば。
ただし、『ノベルス』本来の形とはまったくの別モノです。
『ノベルス』は『文章のみ』によるエンターテイメントです。
他に入る余地はありません。そこが『専門学校』として問題なのです。
専門学校は、客からどれだけ金を巻き上げられるか。
それこそが本懐であり、ぶっちゃけ入学させちゃえば、あとはどうでもいいんです。
経営と運営、そして講師は分離されています。
結論から言ってしまいましょう。
講 師 だ け で い い で す。
金儲けの悪徳算段をしている「経営と運営を排除すべき」ですね。
儲けるためにはいろいろなジャンルを扱った方が都合がいいのです。
『アニメ』『漫画』『イラスト』『ゲーム』『サウンド』『映画』etc...
まとめて扱えば客はどんどん来ます。
生徒が増えれば、格好がつく形ができます。
数が増えれば実績もついてきます。経営側としては理想的です。
数を集めて、そこから極々少数でもデビューが出ればいいんです。
下手な鉄砲理論です。でも、華々しいプロデビューの話は聞きませんねえ。
つまり、そういうことなんでしょう。
きっと、造ってみて損はねぇんじゃね、ぐらいの境遇が『ノベルス』です。
これも経営の観点です。生徒のためでなく、自分たちが儲けるための手段として。
任される講師は大変です。
凡才や才能のない生徒をプロとして通用する水準に高めるには、
多くても2,3人の受け持ちが限度と察します。
その10倍以上──2,30人を一度に教えなければならない。
必然的に講義内容は『誰にでも当てはまり』『誰が見ても正しい』
非常にどうでもいいものになります。
仲間うちで談義していればいつかは話題にのぼって
だれかが答えを出すようなものしか聞けません。
講師が悪いんじゃないですよ?
そんな状態を作っている経営、運営が諸悪の根源です。
講師にはいくら渡しているんでしょうね……わたし、気になります!
それでいて、他の学科と同じ水準の金額を要求してきます。
専門学校の授業料はぶっとんでいます。
これでよく客が来るな、というぐらいにぼったくってます。
講義の内容は薄いし浅く、大学のようにOBやOG会など
学校主導での卒業後サポートケア体制もありません。
今、現在──
真のノベルス専門学校は存在しません。
『仮初のまがい物』がある程度です。
専門学校を検討中の方。やめておいた方がいいと思いますが。
いっとき流行った、英会話教室と同じようなものですよ。
こんなんだから
「専門学校に行ってるやつは絶対にデビューできないね」
「金をドブに捨てるだけのブルジョアならいいんじゃない」
などと揶揄(やゆ)されるのです。
まったくをもって同意です。
もう一度いいますが、専門学校を検討している方……
ぜっっったいに止めておいた方がいいですよ。
むしろ、専門学校で覚えられる知識やテクニック、メンタルトレーニングを
どうやって地力で身につけるかを模索すべきです。
高校生、または浪人生の方には100%大学の方へとアドバイス。
上でも触れたとおり、ノベルスはまったくつぶしが効かないです。
ちなみに、御式乃は地方三流私立大卒の理系ですが、
突発的事象における対処が冷静で的確(慣れっこ)だったのと
その会社の仕事を間近で見て、聞いて、いろいろ教わった経験から、
成長いちじるしかった(過去形)グループ総数1万人規模の
準大規模級の企業に勤めていた経験があります。
その中でも新人のうち、ごく一部のトップエリート集団的な位置でした。
双極性障害がうまい具合に出てくれた結果で、まぐれアタリですが。
もう辞めてしまった理由は今回のテーマに同じく
「現場をまるで見ようとしない経営陣があまりにもアホすぎて呆れたから」
です。
現場は本当に殺伐としていました。
新卒で残っている同期(そのトップエリート)も1/5程度のようです。
中心で踏ん張りつつ、情報を発信し続けてくれる同期いわく
「完全にブラック」だそうですが。
トップエリートがこの具合なので
使い捨て要員はほぼすべて入れ替わっているでしょう。
話を戻しまして──
つまり、作家として生計を立てられない状態で卒業した場合
最終学歴は「高校卒業」と同程度か
「専門学校でなにやってたの? それなんの役に立つの?」
と聞かれるレベル。
「誰をも魅了する物語を御社で書くことができます!」
とか宇宙語を話すのがオチです。
OB、OGのような卒業後のケアサポートもなく
ひとりでやるしかないが、やれることがない。
フリーターでなんとか食らいつきつつも限界。
そうなったら……
最終的にどうなるかは想像に尽きませんね。悪い意味で。
希望的観測をひとつ。
ノベルス専用の学校や、現役プロの座談会なんかが登場したら
今あるまがい物なんて塵芥(ちりあくた)に消えますよ。
経営が絡まない分、費用は1/10~1/50ぐらいまで考えられます。
ボランティアで開催してくれるプロや編集、企業があらわれたら──
そうなったら面白いですね。ふふふ……
今回の記事を要約すると
『ノベルスの専門学校なんて存在しませんよ』
『存在しない場所に大金を落として通うなんて愚策の極みじゃない』
ということです。
有効性の問題以前に、まだ専門学校たりえていないのが現状です。
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以上、御式乃でした。