〆切りの二週間前には完成させるべき
どの新人賞にも言えることですが、「作品を書き上げたらおわり」ではありません。
実際に印刷をしてみて確かめるべき。という話をよく耳にすると思いますが、これはパソコンで書き上げたものが完全であることなんて、まずないという実例から来ています。
印刷してみると、見落としていた誤字脱字、変換ミス等がよく見つかります。文庫化された商業作を読んでいるときと同じ視点回路に切り替わるためでしょう。プロの作品でもさまざまな行程(この辺は「作品が店頭に並ぶまで~」みたいなプロの実体験談を参考に)を経てもミスは残るので、当然といえば当然です。
が、完成度の減点に厳しく響いてくるので、むしろ「プロよりも厳しく」やるべきでしょう。
これだけでも相当の時間を使います。
なんといっても、これは作家ではなく校閲としての作業ですから、勝手が違ってきます。初投稿の場合となれば、混乱するかもしれません。
さて、この辺で絶対に起こってほしくない現象も考えられます。
・プリンターのインクが切れた
・プリンターが故障した
さらに追い打ちをかけましょう。
・応募要項の確認(色々と指定や、別紙で記載すべきこともあります)
・穴開けパンチの摩耗
・綴りひもの枯渇
・印刷用紙の枯渇
こんなことも考えられます。
不測の事態に陥ったとしても、しっかり万全の状態で送り出せるようにするためにも、二週間は猶予がほしいところです。
ようやく郵便局に簡易書留で送付しておわりです。
しかし、ここで不安がひとつ残ります。
「あれ、ちゃんと宛先の住所合っていたかな」
確認せずに送付してしまうと、こんなことを考えてしまいます。
誰かにいわれてもしや? という具合だったり、自身で思い当たってしまったり。
これのなにがまずいかというと、どうしてもこの不安に引っ張られて、作品の経過発表まで集中できずになーんもできないという、時間的にもったいないことになってしまうからです。
投稿が終わったら、次の新人賞に向けた作品づくりが始まります。
結果はどうなるかな、不安だな、などと考えている暇があるなら新作に取り組むべきなのです。こういうところで差がでてきます。
ここまでいろいろ書いてみましたが、いかに『作品を書き終えた後の作業』が多いか感じていただけたでしょうか。
不慣れな初投稿なら、倍の一ヶ月ほど猶予がほしいかもしれません。
万全の状態で、作品に対する完璧な評価を求めるなら、これぐらいしないといけませんよね。歪んだ評価で、歪んだ修正に陥り、歪んだ作品しか出せなくなってしまったら、詰みです。
まだ〆切りまで一ヶ月あるから、これから書き上げたって余裕だぜ!
というタイプは特に気をつけた方がいいかもしれません。
今回は以上になります。