mishikino's diary

素人が作家として自分を昇華させる研究所

「書き上げる」ことと「仕上げる」ことの違い

どうも。

以前短編を一本「書き上げて」久しいです。

その後「仕上げた」ので短編はなんとなく掴んだ気でいます。

 

    そんなところにやってきました業界筋の情報。

    長編なんて「一ヶ月ぐらい」で仕上げられないと

    プロでやってけないよ。

 

三ヶ月に一本のペースで刊行しなければならないのは

商業作の刊行期間から割り出せますが、その内容は秘密にされていますね。

 

印刷して配送して書店に配備されるまでに半月から一ヶ月。

というのは転がっている情報ですが、二ヶ月半で「書き上げて」「仕上げる」

なんて無理でしょう。

 

というのが認識だったのですが、これがさらに甘かった現実。

「一ヶ月」だそうです。「仕上げ」まで含めて。

 

 

ここで、「書き上げ」と「仕上げ」の違いです。

書き上げるのはとりあえずフォーマットに従って、まあ作品にすることです。

仕上げるのは細かい推敲から、果ては構成の見直しまでのでかい直し。

 

速筆と遅筆の違いはだいたいここででるようです。

最初っから「仕上げ」の形をイメージして設計通りに書く。

これはわたしの推論ですが、たぶん要訣です。

 

プロは「仕上げ」の形でプロットを練っているのではないでしょうか。

私は「書き上げ」以上のプロットの書き方は知りません。

(ここも課題点ですね)

 

 

ところで、起承転結をさらに細かくしたストーリープロットが手元にございます。

もちろんオリジナルです。

プロットは作品の設計図。これなしに「仕上げ」はありません。

プロットを書かない? それは頭の中にプロットがあるんですよ。

 

いまなら「書き上げ」は簡単だと思えるのですが。

だって適当に思いついたストーリーを適当な構成に当てはめて、

適当なキャラ並べて適当な世界観の上で動かせばいいんですもん。

で、ページ数も構成も適当。とりあえず起承転結のみ。

いや、割とガチで。

(こういうのが劣化模造品の乱発で一次が通らないケースのひとつ、かな?)

 

きっと「キャラクター」派の人も「設定」派の人も同じですよ。

順序が各々で変わるだけです。

 

「はん、私(俺)の『キャラクター/ストーリー/設定』は一級品だぜ。

こいつに合わない『ストーリー/設定/キャラクター』が悪いのだ」

乱暴にするとこうなりますが、まあ似たような場合もあるんじゃないでしょうか。

 

※ここの「/」は排他的な意味です。つまり

 「キャラクター」がずば抜けている人は他二つ、

 「ストーリー」がずば抜けている人は他二つ、

 「設定」がずば抜けている人は他二つがダメってことですね。

 

仮に評価単位をA、B、Cとしましょうか。

A、C、Cよりも、B、B、Bの方が評価が高いんじゃないですかね。

総合力って大事ですねえ。

 

「書き上げる」と「仕上げる」の違いが多少なりとも伝わったといいのですが。

「~のように」とかは墓穴になるので、私はあまり使わないので心配です。

 

 

ところで話は変わり、時期的にも作風的にも適している新人賞がありました。

スニーカー文庫大賞(秋は10/01締め切り)です。

 

いっちょやったるか、とプロットは結構さっくりできました。

作業期間は一日ですね。元々ストーリーに強い芸風なので、ぶん回せば出ます。

うん、大賞も視野に入れられるぐらいの出来映え。

受賞作に共通している構成も完全に折り込めた。

「仕上げ」の形まで含めた完璧なるプロット。これならいける!

という思惑は本編を書き始めて一日で瓦解しました。

 

    プロット通りに進まない……

 

いや、大筋は変わりませんよ。

大山も大谷も小山も小谷も変わってませんが、間に挟まる部分がかなり。

このまま書き進めたら絶対に「仕上がらない」自信があります。

 

ページ配分と構成誤差が入り乱れて、もう推敲とかそんな次元じゃない状態で

作品が「書き上がる」のがわかるんです。

(わかるところまで来ちゃってます)

 

仮にプロ作家として、新作を一本書き上げました。

担当さんどうでしょう。と持って行った状況と仮定します。

 

「プロットはいいし大筋もぶれてないけど、なんか違いますね。

これ推敲するより最初から書き直した方が早いですよ」

 

こんな状態です。

「ストーリー」に強いと言いましたが「キャラクター」に強いとは言っていない。

想定外にキャラクターが勝手に動き出しちゃったんですよ。

 

わたしのスタンスは「キャラクター」「設定」の細かいところは考えず。

「ストーリー」に自信があるなら、それに活きる「キャラクター」なり「設定」は

自然と発生するし作中におさまるだろう、です。

(これがいけない)

 

冷静に読者視点に立ち返り、見直してもこっちの方がいいね、と思えるのですが。

……ですが、これは「仕上がり」に大きく影響するぞ。といった状態。

 

魅せなくていいところに魅せ場が発生してしまって、

物語の期待感を煽ってしまったといったところでしょうか。

 

ちょい役のつもりで、

「あー、ストーリー進めるならこんなキャラ配置した方がいいよね」

で発生してしまったキャラの存在感が大きすぎる。

 

大問題ですよ、これ。

このちょい役と接触のあるキャラクターは相互作用で魅力が上がります。

が、接触のないキャラクターは相対的に魅力が下がる。

「えー、あのキャラもうでないの? いい感じだったのに(読者)」状態発生。

 

このまま最後まで書き上げると

「全体的にキャラクターが弱いね!」のできあが~りぃ。笑えない。

 

 

ううう、プロット通りのまま「書き上げ」たら絶対に「仕上がらない」。

 

プロットを全部しっかり作ってからにすべきだったんだ。

ストーリーだけじゃダメだったんだ。

でも時間がないのが現状です。

まさに「一ヶ月で仕上げろ」の期間通りになりました。

締め切りに殺される。(今度は敵になりました)

 

現状の打開策はひとつだけあります。

魅力的になりすぎたちょい役を超える「キャラクター」に仕上げること。

これ完全にいまの私の領分を越えてるんですがね。しかも一ヶ月以内でって……

 

まあやってみましょう。ってかやらないといけないんですよね。

それがプロってもんですから。

 

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以上、御織乃でした。