mishikino's diary

素人が作家として自分を昇華させる研究所

心理戦のつくり方 / ライアーゲーム決勝戦予想

心理戦のみならず、物語において必ず必要になる「伏線」。

これを複雑化し、かつロジックめいたことをすればミステリーになる。

って持論はさておき。

 

相手を騙す、これは基本ですが、これだけでは心理「戦」になりませんよね。

「A」は「B」を騙しているが『B』はそれに気づいていない。

「B」は「C」を騙しているが『C』はそれに気づいていない。

「C」は「D」を騙しているが『D』はそれに気づいていない。

「D」は「A」を騙しているが『D』はそれに気づいていない。

 

こういうのは簡単ですね。

これを更にひねると、心理「戦」になります。

「X」や『X』を複数にしてみる。

 

「A」「B」「C」「D」に変化をつける。

例えば、心理戦が進むにつれて互いの特性を理解してくる。

すると、「A」「B,C」「D」になったりする。

「B」と「C」の利害の一致ですね。

 

まず「BC連合」が「A」「D」に劣っている場合。

「A」と「D」はどう動く(動かす)と思いますか?

 

    「A」と「D」が連合を組み、「BC連合」に対抗する。

 

ありっちゃありですが、全面交戦モードに突入するため、

静かな心理「戦」は展開しにくくなりますね。そこで、

 

    「A」が「BC連合」に協力を申し出る。

    「D」が「BC連合」に協力を申し出る。

 

ほら、心理「戦」が発展します。

「A」は「D」を牽制しつつ「BC連合」を引き入れなければいけない。

「D」は「A」を牽制しつつ「BC連合」を引き入れなければいけない。

 

「A」か「D」のどちらかが連合を制したところで心理「戦」は終了です。

最初に言った通り「BC連合」は劣っています。

「A」が「D」を、または「D」が「A」を脱落させたら詰めの一手です。

「BC連合」を破局させます。

 

まぁ、さらに引っ張るなら、殺したと思った「A」か「D」を蘇らせて、

新たな連合、仮に「Ω連合」でも作って、トドメを刺します。

 

トドメを刺される側が必ず「悪」になるようロジックを練っておくのは

ちょっと大変ですが、心理「戦」を最後まで展開できます。

 

 

次、「BC連合」が「A」「D」より勝ってしまった場合。

 

はい、安易に「AD連合」を作って「BC連合」にぶつけようぜ!

とか思わないでくださいね。(とりあえず今回は)

 

主軸が「BC連合」に移ります。

「A」と「D」にはまず「AD連合」の描写を入れましょう。

 

まあ成立しません。

私の場合は「A」と「D」は最終的に潰し合う敵にするので、

虎視眈々を互いを殺そうとしてますから。

仮にそれっぽい協力関係を築けたとしても表面上だけとかになりますね。

これはこれで「A」と「D」の心理「戦」になるのですが、

超絶に複雑化してしまいロジック制御が難しいんです。

 

他にもいろいろ理由はありますが、「BC連合」の優位視点で展開します。

「A」と「D」がさまざまな方法で「BC連合」に接近します。

「A」と「D」が苦心する描画は必須ですね。

ここで伝家の宝刀が発動します。

 

    「BC連合」に亀裂。

 

ふふ、これが心理「戦」なのです。

「A」と「D」のすり寄り、歩み寄り行為は「BC連合」に優越感を与えます。

群れた人間とは実に単純なもので、崇め奉られると「独占欲」が出ます。

これは真理であり必然です。

 

「BC連合」の隙を見逃さず、鋭く斬り込み崩しにかかる「A」と「D」。

「B」と組むか、「C」と組むかは普通に思いつくかと存じますが……

 

人間観察力がぶっ飛んで高いヤツはこう組み立てます。

すなわち、

 

「B」と「C」、どちらを敵に押し付けるか

 

自己破綻した「BC連合」です。

「A」と「D」はその人間性に疑いを持って探りを入れます。

そして「不利になる方とくっつかせる」という発想に至るわけですね。

 

 

はい、こんな発想できませんという方はご安心ください。

もうここまで来ると人間不信というレベルではなく、

「はっ、人間なんざ大したことねえな。思い通りに動く駒じゃねえか」

とか危ない思考になっちゃいますので、ここまでする必要はないです。

 

 

まあ、ここまでが「私なりの」心理戦のつくり方です。

以下はちょっとした考察になります。

 

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LIAR GAMEライアーゲーム)決勝戦からにじみ出る違和感。

 

先週号を見て直感に来ました。

「おかしい」

 

なにがおかしいって、予選を終えて本戦のゲーム内容の発表時です。

「四国志ゲーム」ですよ?

 

詳しくは覚えていないのですが、

予選から本戦に進むための予備選が設けられました。

 

で、その予備選。どうやっても脱落者が出るゲーム設計になっていたんですね。

まあそこはいいのですが。

 

異質なのは本戦メンバーを決定するまでの流れです。

一見すると主人公(アキヤマ、カンザキ)と敵(ヨコヤ)の心理戦でした。

が、蓋を開ければ脱落者が最低数の3名のみ。

チームメンバー数が不揃いでも可なら、なんら不思議はなかったのですが。

「4名」縛り

4名に満たなかった場合はチームとならず敗退。

また5名以上になることも許されない。

 

この条件下で「四国志ゲーム」という本戦です。

 

勘ぐりすぎかもしれませんが、私にはですね……

 

    最初からその人数、チームになることがわかっていた。

 

としか思えないんですよね。

先に述べた「A」「B」「C」「D」の心理戦にも繋がるのですが、

3チーム戦と4チーム戦はまるで別の心理戦になるんです。

ちょっと口では説明できないので、想像してみて欲しいんですが。

 

あの過酷な縛りの予備選にしてはあまりにできすぎているんです。

3チームになる可能性が高く、下手をすれば2チーム。

それを逆手に取った「アキヤマ」の策が炸裂し、4チームとも取れるのですが。

腑に落ちない。

 

なにをそんなに警戒してるんだと思うかもしれませんが

「不利を相手に押し付ける発想」ができるヤツはここで引っかかります。

 

 

    いる。

 

 

    誰が?

 

 

LG事務局がプレイヤーとして紛れ込んでいる。

こう考えるとスッキリするというか、私ならこうします。

 

「アキヤマ、カンザキ組が別れちまったぞ! これどうなるんだ!?」

「しかもカンザキは敵のヨコヤと同じチームだ、おいおい!?」

ってのが普通の見方。

 

映らない方が心理戦は大事なのです。意識の外側ってやつですね。

 

四国志のどのチーム、どのプレイヤーかは分かりませんが、

一人は必ずLG事務局のプレイヤーが紛れている。

 

ってなったら面白いですね。

ちなみにこの場合、主人公「アキヤマ」とライバル「ヨコヤ」は

予備選から気づいていたし、それも考慮して本戦の策を練っている

と私ならやります。

 

そうした方がキャラが立ちますし、

本当の「敵」をカモフラージュする意味でも使えますので。

 

    いったい誰がなんなんです!?

 

と、思わせると心理戦っぽくなります。

 

ネタバレにはならないと思うんですが

「ヨコヤ」はライアーゲームの元ネタを看破してその内容を知っています。

というのが表に出されている情報。

 

ゲーム内容を事前に知っておくというのは大きなアドバンテージです。

が、それに固執すると欠けてしまうものもあるのです。

それは「なぜこんなゲームをやっているか」という視点。

この点で「アキヤマは知的に」「カンザキは直感的に」感づいている節があります。

 

もし、本当にLG事務局のプレイヤーが最終戦に紛れ込み、

予備選を成立させるために影で動き、本戦にまで残り、

ゲーム展開を操っていたとしたら……?

 

こと、ライアーゲームにおいて究極にして最大かもしれない

「ヨコヤ」のアドバンテージがここでなくなります。

 

なにせ、ゲームメイカー側の存在がプレイヤーとして参加しているんですから。

いかにゲームの元ネタを知っている「ヨコヤ」でも敵いませんよね。

「ヨコヤ」以上に知っているんですから。

知っていることを逆手に行動を誘導される展開まであります。 

 

 

「アキヤマ」と「カンザキ」がLG事務局に勝ち、

かつ仇敵「ヨコヤ」と和解するエンディングを用意したいとするなら、

私ならこう創ります。

 

「真の敵はライアーゲーム事務局です」(byカンザキ

おぉ~、歓声が出そうな繋がりっぷりです。

まさに主人公カンザキが真っ先に唱えた論理通りに締められるわけです。

 

ってのが見解なんですがね。

はてさて、どうなることやら。

 

 

ちなみに描画がなかっただけかもしれませんが、

もう一つ引っかかった点があったんです。

 

それは「四国志ゲーム」の会場

2チーム戦、3チーム戦になってしまったら会場はどうしていたんでしょうね。

もちろん今までの作風から観るに、

「2チーム戦用会場」「3チーム戦用会場」も用意されていたとも思えますが。

 

 

さ~て、本当の嘘つき王は誰かな~?

こんな記事を書いておいて、的が外れたら私がそうなのかもしれませんねえ。

 

って回答でいかがでしょうか、先生。 

LIAR GAME (1) (ヤングジャンプ・コミックス)

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以上、御織乃でした。